母さん、ぼくのあの帽子どうしたでせうね
『人間の証明』のあらすじ
赤坂の東京ロイヤルホテルのエレベーターに、胸部を刺されたまま乗り込んできた黒人青年ジョニー・ヘイワードが死亡します。
棟居弘一良刑事らは、ジョニーを乗せたタクシー運転手の証言から、彼が「ストウハ」という謎の言葉を発していたことを突き止め、また、別のタクシーの車内からは、ジョニーが忘れたと思われる古い『西條八十詩集』を発見します。
『人間の証明』の概要
『人間の証明』(Ningen-no-syoumei)は、昭和53年(1978年)に松田優作・岡田茉莉子のキャストで映画公開され、何度もリメイクされて放送されました。
1978年1月7日~4月1日(全13話)北公次・多岐川裕美
1993年1月8日 石黒賢・宮本信子
2001年1月7日 渡辺謙・高島礼子
2004年7月8日~9月9日 竹野内豊・夏川結衣まで放映された。全10回
2011年3月2日~4月28日 チソン・ヨム・ジョンア。全18回
2017年4月2日 藤原竜也・鈴木京香
覚書
松田優作、森村誠一、ジョー山中
角川映画の第二弾として公開された本作は、原作 森村誠一、主演 松田優作、主題歌 ジョー山中でした。
森村誠一は一躍ベストセラー作家に、「人間の証明のテーマ」はミリオンセラーとなり、西条八十の歌詞「母さん、ぼくのあの帽子どうしたでしょうね」も流行語になりました。
配収22.5億円の大ヒット作になりましたが、製作に12億、宣伝に当時としては常識はずれの14億をかけていましたので最終は赤字。世評でも「角川のおぼっちゃんの道楽」「唐突なストーリー」「読み捨て文庫」というように酷評されていて、私も観ましたがジョニーが麦わら帽や西条八十にこだわった理由がいまいち伝わらず、さほどおもしろいとは思えない映画だったという印象でした。
さらに残念だったのは、ジョー山中がマリファナで逮捕されてテレビ、ラジオの歌番組から締め出されたことでした。しかし、そのためにこの曲を聴くためにはレコードを買うしかないという状況になり売上に拍車をかけたというエピソードもあります。
コメント