荒廃した恐怖政治の自分の町へ
『その町を消せ!』のあらすじ
中学生の井上鉄は、母に頼まれた買い物の途中、自分の家に幽霊が出ると怯える同年代の少女 白戸依に出会います。半信半疑のまま依の家を訪れた鉄は、家の中を歩き回るうち、二人は男の幽霊に「あれはどこにあるんだ?」と聞かれます。
二人は前日から行方不明になっている依の父親 白戸博士との関連性があると見て、父親の研究室のある倉庫に行き、そこでやはり何かを捜す女の幽霊に出会います。ショックで気を失ってしまった依を残して幽霊を追いかけた鉄は、次元の穴からパラレルワールドに迷い込んでしまいます。
『その町を消せ!』の概要
『その町を消せ!』(Sono-machi wo kese)は、昭和53年(1978年)1978年1月30日から2月23日まで放送されたSFドラマ(全15話)
覚書
荒廃したもうひとつの自分の町
「本部」という独裁機関に統治された町は、自分が居た町と全く同じでしたが資源が枯渇し、恐怖政治が敷かれていました。些細なことで一生「収容所」に閉じ込められ、矯正、拷問を受ける、町の人々は親子であっても密告をする。そんな”もうひとつの町”が恐ろしかった。
自分の町に帰れるんだろうか。”その町”はどうなるのだろうか。匿ってくれた森田一家、特に千鶴子さん(斉藤浩子)はどうなってしまうんだろうかとやきもきしながら6時20分の放送を待ちわびていました。
今、見返してみると「あれ?」とか「なんで?」とかいう部分は多々あるのですが、それでもこの作品は私の中で印象深く心に残るものでした。
視聴者が守った映像
NHKでは例によってマスターテープの使い回しで消去されており、視聴者が録画していたものがNHKに寄贈されて復活しました。
第2話は音声のみ残っているようで、この2話がパラレルワールドに入っていった序盤の山場なのでストーリー的には残念ですが、それでも『タイムトラベラー』や『細うで繁盛記』のように取り返しのつかないことにならなくて本当によかった。
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