虐待物語から人生薀蓄物語へ
『ダメおやじ』のあらすじ
ダメおやじこと雨野ダメ助は、会社では無能、家に帰ればオニババこと妻冬子、息子のタコ坊、娘の雪子の家族から虐待を受けています。
殴る蹴るをはじめ食事抜きもたびたび。それでも、ダメおやじは会社を辞めればどんな酷い虐待が待っているかわからないと毎日出勤していきます。
『ダメおやじ』の概要
『ダメおやじ』(Dame Oyaji)は、昭和49年(1974年)4月2日から10月9日まで毎週火曜19時30分から30分枠で放送されたホームギャグアニメです(全26話)。
覚書
いじめ虐待路線から、人生を考え楽しむ薀蓄路線へ
最初はとことんひどい虐待をするだけのものでしたが、北海道に左遷され、そこで出会った大財閥の令嬢ヒミコから大会社「ダメおやじ株式会社」を任される社長となってから人生が一変していきます。
「大躍進株式会社」「(株)おてつだい」「HOTELダメおやじ」そしてヒミコから持ちかけられた「ユートピア」など次々と事業を成功させていき家族仲も改善。内容的にも古谷三敏の趣味や薀蓄が盛り込まれた話になっていきます。
後に『BARレモン・ハート』や『減点パパ』で、酒や料理の薀蓄を余すことなく披露する古谷三敏。レモンハートの”マスター”やトレンチコートにサングラスの”メガネさん”もダメおやじに登場しています。
オバタリアンのモデル
「オバタリアン」とは、1988年から1998年にかけて大人気になった堀田かつひこの4コマ漫画のタイトルで、”おばちゃん”とホラー映画『バタリアン』(1986年)を掛けた造語です。
当時の流行語(流行語大賞 金賞1989)になり、無神経でずうずうしいおばちゃんを指す言葉として定着していました。
ここで登場する絹代は、外観も性格もほぼダメおやじの妻 冬子と同じで、堀田かつひこ自身も冬子をモデルにしたと言っていました。
もう、「オバタリアン」は死語になり、現在では「無敵の人」とか「モンスター○○」とかいう言い方でジェンダーレス(笑)になってますが、いつの時代でもこういう人はいるということですね。
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