ジャングル大帝（1965年）【動画】

日本初のカラーアニメ。人と動物の共生と自己犠牲に感涙

ジャングル大帝は、1965年から1966年にかけてフジテレビ系列で放送された日本初のカラーアニメです。全52話で、毎週日曜日の19時から19時30分に放送されました。

ジャングル大帝のストーリー

ジャングルの王 白いライオンパンジャの最後

ジャングルの守り神と言われ、人間からは魔物と恐れられてた白いライオン・パンジャは、ある日妻のエライザが人間の手によってさらわれたことを知り、助けに向かいますが人間に射殺されてしまいます。

エライザは船で輸送される途中にレオを出産し、パンジャの毛皮の前でパンジャのことを話し、レオに船から飛び降りてジャングルに戻り、パンジャの跡を継ぐように言いつけます。

レオは人間のケン一に拾われて人間社会の文明を知り、人間の言葉も習得してジャングルに帰ってさまざまな改革を行います。

レオの成長と結婚。そして子供達

成長したレオはパンジャの跡をついでジャングルの王者となり、幼馴染のライヤと結ばれます。息子ルネと娘ルッキオも生まれ、つかのまの平和な時を過ごしますが、ルネは人間世界に憧れて旅立ってしまいます。

ライヤはルネが去ってしまった心労で体が弱っていたところへジャングルで流行りだした死斑病にかかって亡くなってしまい、娘のルッキオも死斑病を発症します。

ルネはサーカスで人気スターになっていましたが、故郷のジャングルで死斑病の流行を知り、ジャングルに戻る決意をします。

ヒゲオヤジとレオの旅立ち

ケン一の叔父 ヒゲオヤジは、この物語を通してレオ達の危機を救ったり逆に助けられたりという関係を続けていましたが、ルッキオを含めてジャングルで蔓延している死斑病の治療を行ったことでレオの篤い信頼を得ます。

レオは信頼するヒゲオヤジらの探検隊と共に、不思議な力を持つ幻の月光石の眠るというムーン山へと向かいます。

猛吹雪の中、探検隊はついに月光石を発見しますが、帰路、隊員たちが次々と遭難、死亡していきます。

人間と動物。信頼と自己犠牲

レオは雪の強い反射光のために失明し、生き残りはレオとヒゲオヤジの2人きりになります。

レオはヒゲオヤジに言います。
「自分を殺して皮を剥ぎその毛皮を着て、肉を食べて生き抜いて探検の記録を届けるように」

ヒゲオヤジはレオを殺すことなどできないと拒みますが、レオはわざとヒゲオヤジに襲いかかるふりをして自分を殺すよう仕向けます。

ヒゲオヤジはレオの死を悲しみ、泣きながら皮を剥ぎ肉を切り取ります。レオの毛皮を着て寒さをしのぎ、その肉を食べて生き延び、探検の記録と共に下山を果たします。

日本に戻ったヒゲオヤジは、レオやムーン山のことを思い出しながら、自然と人との関わりを改めて自分に問いかけます。

後作のストーリーとエンディング

ジャングル大帝は数多くリメイクされ、そのたびにストーリーや結末も変わっています。

前述のストーリーは原作と第一作、第二作に沿ったものですが、第三作ではジャングルをリゾート地にしようとする人間たちと闘うレオたちがひたすら殺され続けます。

最後には、銃弾を受けたレオが「あなたは、何が欲しくて、何のために殺すのです? 誰も死にたくない。僕だって死にたくない。だけど、僕が必要なら僕の命を奪ってもいい。そしてもう誰も殺さないで」と言い、人間が銃を下ろすところで幕を下ろします。

ジャングル大帝の特徴と影響

動物を主人公とした作品

ジャングル大帝は、動物を主人公とした作品です。レオをはじめ、ジャングルの動物たちが、人間の侵略からジャングルを守るために戦う姿が描かれます。

後に犬を主人公にした『銀牙 -流れ星 銀-』（1983・高橋よしひろ） は、人間とも協力しながら凶暴な人食い熊・赤カブトとの闘いをくりひろげるストーリーで大ヒットとなりましたが、この作品にも手塚治虫の血、ジャングル大帝のDNAが引き継がれているように思います。

人間と動物の共存を描いた作品

ジャングル大帝は、人間と動物の関係を描いた作品です。人間と動物の共存の可能性を探りながら敵対から信頼、友情が生まれていく過程を心情こまやかに描きあげました。

動物アニメの普及

ジャングル大帝のヒットにより、動物アニメが子供たちの間で人気を博し、その後の動物アニメの制作に大きな影響を与えました。

ジャングル大帝の映像

ジャングル大帝（1965年）第1話～16話

ジャングル大帝 （1989年）第1話～18話

映画 ジャングル大帝（1997年）

ジャングル大帝-勇気が未来をかえる-（2009年）

ジャングル大帝 ディスコグラフィ