われこそは玉梓が怨霊…!
『新八犬伝』のあらすじ
安房領主里見義実は、娘 伏姫の愛犬八房(やつふさ)に、「敵の首を取ってくれば伏姫の婿にしてやる」と言います。もちろん義実は戯れに言ったのでしたが、八房は本当に敵将の首を咥えて戻り、以後 伏姫のそばを離れなくなります。
伏姫は戯れだとしても約束は約束と、八房とともに富山洞にこもります。
家臣で伏姫を愛していた金碗大助は、姫を取り戻そうと富山洞へ行き、八房を銃で撃ちますが、一発は八房の眉間、もう一発は伏姫の胸を貫いてしまいます。
その時、伏姫の首にかけた数珠(じゅず)が空にのぼり、八匹の子犬の姿とともに数珠の仁義礼智忠信孝悌の八つの珠が飛散します。
この珠は諸国に散らばり、体に八房と同じ牡丹の模様の痣といずれかの珠を持つ子供が生まれ、数奇な出会いを経て八犬士として集います。
伏姫ゆかりの八犬士は、玉梓の怨霊をはじめ、悪者や悪霊などさまざまな困難や妨害に対峙していきます。
『新八犬伝』の概要
昭和48年(1973年)4月2日から昭和50年(1975年)3月28日まで、夕方6時半から15分枠で放送された人形劇です(全464話)。
覚書
辻村寿三郎の真骨頂
人形師 辻村寿三郎の名前を世に知らしめた作品でした。人形劇は『ひょっこりひょうたん島』も人気でしたがあくまで子供向け。
この新八犬伝は大人も楽しめるもので、人形そのものに魂が宿っているとしか言いようがなく、人形が生きて動いているように感じたシーンや、感情が伝わってくる場面が多々有り、辻村寿三郎の真骨頂と言える作品でした。
映像がほとんど残っていないのは本当に残念です。
坂本九の黒子「マル九」
黒子姿で語りを担当したのが坂本九で、面に○に九の字が書かれて「マル九」とも呼ばれて人気を支える要因となっていました。
コメント