「地球か・・なにもかも皆懐かしい・・・」
『宇宙戦艦ヤマト』のあらすじ
2199年、謎の異星人国家 ガミラス帝国の侵略によって、地球は放射能汚染で生物は死滅、人類は地下都市で暮らしていましたが、汚染は地下にも及び人類滅亡まであと1年と迫っていました。
そんな中、外宇宙イスカンダル星から、放射能除去装置”コスモクリーナーD”を受け取りに来るようにというメッセージと、ワープを可能とする波動エンジンの設計図を受け取ります。
地球は、かつての戦艦「大和」に似せて波動エンジンを搭載した「宇宙戦艦ヤマト」を建造し、艦長沖田十三をはじめ古代進、島大介、森雪などの乗組員とともにイスカンダル星に向けて旅立ちます。
『宇宙戦艦ヤマト』の概要
『宇宙戦艦ヤマト』(Space Battleship Yamato)は、昭和49年(1974年)10月6日から昭和50年(1975年)3月30日まで放送されたSFアニメです(全26話)
劇場版『宇宙戦艦ヤマト』1977 劇場版 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 1978 宇宙戦艦ヤマト2 1978(全26話) 宇宙戦艦ヤマト3 1980(全25話) 劇場版 宇宙戦艦ヤマト 完結編 1983 実写版 SPACE BATTLESHIP ヤマト 2010・・・
覚書
ジュン! ジュン!!
松本零士の作品で最初に読んだのは、『大四畳半大物語』(1970)でした。『男おいどん』(1971)のほうが有名になったので大四畳半は知らない人も多いかも知れないですが、前者は大人の漫画、後者は子供向けでした。
九州から上京してきた足立太が、大家のばぁさん、じいさん、向かいの部屋に住むヤクザのジュリーと愛人のジュン、下の階の新婚夫婦などとともに、皆底辺の生活ながら懸命に生きていく様子を描いた人間ドラマです。
と書くと純文学のようなものを想像されるかもしれませんが露骨ではないものの性描写ありありの青年向け漫画でした。
ヒロイン的な存在 ジュンは、高校生の時にジュリーの組に連れ込まれて強姦され、その様子を写真に撮られたりするのですが、ジュリーが不憫に思って身柄を引き取って情婦となっていました。足立太はジュンに筆おろしをしてもらい、以後もたびたび関係を持つことになります。
なぜ、こんなことを書いているのかというと、松本零士の漫画がアニメ化されたのはヤマトが初めてで、正直大四畳半のことは忘れていたのですが、サーシャや森雪を見た時、あるいは999のメーテルを見た時に「あ、ジュンさん!」と思った人はどれくらいいるのだろう、ジュンさんを思い出して少し興奮してしまった人はどれくらいいるのだろう、、と思ったのでした。
松本零士にとっても大四畳半は思い入れの深い作品だということで、自身もこんなとを書いています。
SFやら昆虫やら、果ては子犬の漫画などを描いていた時だったので、四畳半物など誰も本気で信用してくれませんでした。
-中略-
後年「男おいどん」の方が目立ってしまっても、この足立太は頑張っておりました。同じ設定、同じ登場人物で、のんびり続けに続けたこの大四畳半シリーズが、四畳半やパンツやサルマタケ物語の全ての大元祖なのであります。
「おいどん」の場合、わざと欠落させていた「下宿」がここにはあるハズであり、それ故に楽しかった部分があるのです。この大四畳半を描いていた時、私は幸せでありました。
足立太は松本零士の分身で、ジュンは松本零士の描く女性の原点でした。細面でスリムでクールでセクシーでした。そういえば『銀河鉄道999』にも、足立太の部屋の隣にメーテルと星野鉄郎が一時住むことになり、999号が飛び立つのを見た太が『銀河鉄道999』のテーマを思いつくというエピソードもありました。
手塚治のアニメも同様ですが、時代が進んでからも新作が作られたりリニューアルされるたび、松本零士のヤマト、松本零士の999、手塚治の火の鳥、手塚治のブラックジャックでなくなっていったことに”失望”や”悲しさ”を覚えるのは私だけでしょうか。
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